屋根の形状

切り妻(きりづま)

切り妻(きりづま)

【特徴】
・三角屋根シンプルで施工もしやすい
・屋根の最頂部である棟から地上に向かって 二つの傾斜面が山形の形状をした屋根
・2面だけで屋根が構成されるシンプルな屋根 形状
・ローコストで雨漏りの心配が少ない屋根形状
・棟の両側に流れる二つの斜面からできている山形の屋根

【メリット】
・シンプルな屋根造りのため、コストが抑えれる。
・初期費用だけでなく、屋根の葺き替えを行うなどランニングコストでも比較的有利
・屋根が三角になると家の中に高さが出るから風の通り抜ける喚起しやすい住まいになる
・ソーラーパネルを設置しやすい(太陽光を電気に変える変換効率の最も高い傾斜角度に合 わせて、屋根の勾配を自由に変化させることができる)
(その面が寄棟屋根などに比べると広くなる形であることから、より大きな面にソーラーパネルを設けられる)
・屋根に積もる雪の量を抑えることができる(二方向だけ軒先があるから雪が落下する位置などを限定できる)

【デメリット】
・妻側の壁に太陽の光や雨が当たりやすい
(壁の上部が三角に切り取られる側を”妻”)

寄棟(よせむね)

寄棟(よせむね)
棟(むね):屋根の頂点の面と面が合わさる場所

【特徴】
・一般的な住宅屋根の一つ
・四方向に傾斜する屋根面をもつもの
(上から見ると長方形)

【メリット】
・耐久性が高い(雨風に強い)
・落ち着いた雰囲気の外見になる
(デザインによって現代的な印象になり、和風・洋風どちらの住宅にもよく使われる)

片流れ(かたながれ)

片流れ(かたながれ)

【特徴】
・屋根はいくつかの面で構成されているが、片流れは一面で構成されている形状
・屋根の棟からの片方の軒先まで斜面
・ローコストで雨漏りの心配が少ない屋根形状
・雨水なども片面に流れる

【メリット】
・平屋の屋根を片流れ屋根にすると軒先のない壁面に高さが出るため、高い位置に窓がつくれる
※高い位置から光を取り入れることで家の中が明るくなり快適に過ごせるのが選ばれる理由の一つ
・太陽光パネルが取り付けられる
(ほかの屋根と比べて屋根面が広いため、パネルを多く載せられる)
・初期費用・リフォーム費用が安く済む
(シンプルな構造でできているので費用が抑えれる)
・屋根裏に大きなスペースができる
(斜面をつけることで屋根と天井板の間にスペースが作れる。このスペースを小屋根裏部屋として有効活用できる)
※ただし、小屋裏は「高さ140cm未満」、「面積が階下の1/2までの広さ」などの条件を満たさないと延床面積に算入されてしまう

【デメリット】
・屋根、外壁が劣化しやすい
(軒先のない壁面は雨風や紫外線の影響を受けやすい)
・雨漏りのリスクが高い
(「破風板(はふいた)」と「野地板(野地合板)」の境目から、伝い水によって雨漏りが発生するケースがある)

陸屋根(ろくやね)

陸屋根(ろくやね)

【特徴】
・傾斜の無い平面状の屋根の事、平屋根ともいう
・屋上を設けるのに最適な形

【メリット】
・屋上として活用できる
(人が利用したり物を置いたりする際は、屋上利用を考えた構成が必要になる)

・メンテナンスが簡単
(屋上としての活用を考慮して、施工の際に階段を設けている場合は、よりメンテナンスがしやすい)

・建築スペースを広くできる
(三角屋根に比べると建築スペースが広くなり、同じ天井の高さでも居住空間を広く感じる事ができる)
(天井が低いと圧迫感が出て窮屈な印象を与えがちですが、建築スペースを広く保つことで開放的に感じられます)

【デメリット】
・夏場は最上階が蒸し暑い
(建物の構造や材質、断熱材によっても異なりますが、屋根と天井の間に空間がない陸屋根は、屋根に当たる陽射しによって天井面の温度が上昇しやすくなる。そのため夏場は蒸し暑くなる場合もある。
熱がこもらないようにするには、屋根面ろ緑地化したり、直射日光が当たらないようにウッドデッキにしたりするなどの工夫が必要)

・ロフトの設置ができない
(陸屋根は基本的ロフト(屋根裏部屋)がな いため、収納スペースが欲しい場合や屋根裏部屋をちょっとした居住空間として楽しみたい場合は活用できない)
(しかし収納スペースが別にあり、ロフトが必要ないというのであればそれほど気にはなりません)

・雨漏りしやすい
(三角屋根に比べると水はけが悪く、しっかりと防水処理をしていかないと雨漏りする可能性がある。木造住宅は陸屋根にするのが難しいといわれているのも雨漏りの危険性が高いからです)
(雨漏りがないように建築技術も向上していますが、それでも防水材料は経年劣化しますので、定期的なメンテナンスが必要になります。)

【陸屋根の雨漏りを回避する防水材料】
・防水性が高いアスファルト防水
→溶解アスファルトを用いてアスファルトシートを貼り重ね、防水層を作る防水工事方法。
粘着性や耐久性、防水性能が高いことから古くから使われている。
熱工法、常温粘着工法、トーチ方法などの防水工法がありますが、施工に時間がかかるため技術が必要になる。

・歩行しやすいゴムシート(シート防水)
→合成ゴムの防水シートを張り付ける工法は、ほかの防水材料より相場価格が安く、短期間の施工で済むメリットがある。
ゴムシート防水は均一な防水層になるため歩行もしやすく、防水効果も高いが、紫外線・鳥害・衝撃で劣化したり、粘着剤の耐久性が弱まると防水性能もていかしたりする特徴がある。

・見栄えが良く防水性も高い塩ビシート(シート防水)
→塩化ビニール樹脂の防水シートは、耐候性・耐久性が高く、改修工事も施工もしやすいメリットがあります。柄も色も揃っているため見栄えをよくしたい方におすすめ。
ゴムシートと同じように粘着部分から防水性能が弱まる可能性があるため、しっかりと接合する必要がある。

・メンテナンスしやすいエポキシ樹脂
 →エポキシ樹脂は液状の防水材料のため、狭い場所や細かな部分も施工しやすいメリットがある。凹凸とした形状でも防水加工がしやすく、つなぎ目がないのも特徴。
コンクリートやモルタルのひび割れ補修や防水にも適しているため、エポキシ樹脂を注入する工法で外壁補修を行うこともできる。

・耐熱性に優れたウレタン樹脂
→エポキシ樹脂と同じように、液状のウレタン樹脂を塗って防水層を作る工法。ウレタン防水工事は複雑な場所に向いていて、低コスト
・短時間で工事ができるのがメリット
耐久性・耐熱性に優れていて、つなぎ目のない綺麗な仕上がりに。防水層を回収する際にも上から塗り重ねるだけでよい手軽さがあり、広く使われる防水材料です。